公共土木工事の入札で勝ち、案件を落札するためには、より精度の高い土木積算が求められています。ここでは、千葉県の土木積算の特徴・コツについてまとめました。
土木積算システム「アトラス」を展開するコンピュータシステム研究所では、全国23拠点に調査スタッフ&サポートスタッフを配置し、発注者ごとに異なる土木積算の傾向や癖などの情報を収集しています。大量の設計書の検証作業など、⽇々土木積算の精度を上げるためのローカルな情報を蓄積し、その知見を活かしシステムの精度アップや地域の土木業者のサポートを行っています。ここではその一部をお見せいたします。
千葉県発注工事では、一般競争入札の拡大や指名業者選定基準の見直しが段階的に進められてきました。現在に至るまで制度改正が重ねられ、入札制度はより透明性・競争性を重視した運用へと移行しています。
令和8年現在、原則として予定価格2,000万円以上の工事は一般競争入札となっており、予定価格は事前公表、最低制限価格は事後公表となっています。
ただし、設計金額1億円未満の災害復旧工事および国土強靭化関連工事については、上記に関わらず指名競争入札方式が適用されます。
また、予定価格5,000万円以上の工事では、予定価格・最低制限価格ともに事後公表となります。
さらに、令和8年4月以降の営繕工事入札においては「営繕チャレンジ型」を試行導入し、公共工事のみならず民間工事の施工実績も同等に評価する方式が予定されています。
加えて、すべての入札案件で工事費内訳書の提出が義務化されています。最低制限価格の算定には国土交通省と同様の「中央公契連モデル」が採用されており、万円単位での入札となることから、同額入札による抽選のケースも見られます。
このような制度環境のもとでは、積算精度の向上に加え、業務効率化も求められます。
また、令和7年12月12日に施行された改正建設業法への対応として、千葉県では令和8年4月以降、工事費内訳書において法令で定められた5項目の明示が求められる予定です。
なお、一部市町村では既に同様の対応が求められており、県内でも順次対応が進んでいます。
具体的には、次の費目を区分して記載する必要があります。
の各費目を区分して記載する必要があります。これは技能労働者の処遇改善や社会保険加入の徹底を目的とした制度改正であり、従来以上に積算段階での費目管理の厳格化が求められます。
このような制度環境のもと、全案件で内訳書作成の負担が発生することに加え、単なる積算精度の向上だけでなく、法改正に対応した適正な費目計上および積算業務の効率化も重要となっています。
千葉県内の土木工事は、原則として国土交通省の積算基準に準じた内容となっており、例年10月に基準改定が実施されています。
一方、千葉県企業局水道部が発注する水道工事については、独自の基準書が定められており、例年4月に改定が行われています。
また、市町村発注の水道工事では、「水道事業実務必携」の積算基準を採用しているケースが多く見られます。
このように、千葉県内においても発注機関ごとに基準や改定時期が異なるため、積算業務においては各基準の動向を継続的に確認することが重要となります。
千葉県内の土木工事単価は、千葉県が公表する単価体系を基本としており、県内の多くの市町村においてもこれに準じた運用が行われています。例年4月に全体改定が実施され、その後も毎月、差分改定が行われる仕組みとなっています。
政令指定都市である千葉市では、千葉県とは別に独自の土木工事単価が設定されています。
単価算出の根拠として参照されている主な資料は、いわゆる「物価本」と呼ばれる
の前月号が中心となっています。
なお、改定号に掲載のされていない単価については、従前の単価を継続して使用する運用となっており、この点が実務上の特徴的なルールとなっています。
水道工事に関する単価は、千葉県企業局が公表する水道資材単価が使用されます。例年4月に全体改定が実施され、その後は必要に応じて不定期で改定が行われています。
市町村においては、独自の水道資材単価を設定しているケースも多く、発注機関ごとに単価体系が異なる状況となっています。
千葉県および千葉市発注工事では、入札時の工事価格は「万円単位」での丸め処理が行われています。改定時期については、千葉県では例年10月に基準改定が実施されています。
一方、千葉市では通常の改定サイクルと異なり、令和4年度には4月に改定が実施されるなど、年度によって運用が異なる事例も見られます。
また、千葉県・千葉市ともに、委託業務においては独自の諸経費率や経費算定方法を採用しているケースがあるため、工事案件とは別の基準確認が必要となります。
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土木単価 |
水道単価 |
物価資料 |
積算基準 |
経費 |
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千葉県 |
4月に全体改定 |
千葉県企業局は4月に全体改定 |
建設物価、積算資料、土木コスト情報、土木施工単価の前月号 |
土木工事は例年10月 |
万円単位で丸め処理 |
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千葉市 |
千葉県とは別に独自単価を設定 |
発注内容により参照 |
建設物価、積算資料、土木コスト情報、土木施工単価等 |
年度により運用が異なる事例あり |
万円単位で丸め処理 |
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市町村 |
千葉県単価に準じる運用が多い |
独自の水道資材単価を設定しているケースあり |
発注機関により異なる |
発注機関により異なる |
発注機関により異なる |
※上記は基本改定のため、適宜臨時改定等が発生する場合があります。
案件ごとに労務補正の適用方法が異なる点に注意が必要です。
具体的には、「夜間補正」のみを適用する場合と、「夜間+時間的制約補正」を併用する場合など、補正の掛け方が設計書ごとに分かれています。
設計書内には補正区分ごとにコードが付与されており、各コードに対応する補正係数が定められています。
このコード体系を把握しておくことで、補正内容の読み違いを防ぎ、積算精度を大きく向上させることが可能となります。
夜間労務補正の計算について注意が必要です。発注者独自の算定方法が採用されているケースがあり、「県土木事務所」の補正率とは考え方が異なる場合があります。
以下のような計算方法が用いられています。
(割増1.5 × 7時間)+(割増1.0 × 1時間)= 11.5 11.5 ÷ 8時間(1日の所定労働時間)=1.438
⇒ 約43.8%割増
処分費については、発注者ごとに採用される単価区分や金額設定が異なるケースが見られます。
そのため、同種工事であっても採用単価や処分費の取扱いに差異が生じる場合があります。
入札後の開示請求などにより、実際に採用された金額や処分費の扱いを確認することが可能です。
経費に影響する処分費の金額を把握しておくことで、より正確な積算を行うことができます。
各地域の特徴を日々収集し研鑽しつづける土木積算システム「アトラス」
上記の他にもまだまだたくさんの各地域独自の土木積算の特徴やルール、クセ(習慣)などが存在しています。これらを土木会社の一人の担当者が常にキャッチアップしていくことはほぼ不可能です。
土木積算システム「アトラス」は全国23拠点のサポート体制を持ち、各地域の発注者の特徴や情報を日々収集し、検証作業を行い、システムのアップデートやユーザーのサポートをおこなっています。アトラスのサポートやシステムを使うことで効率的に地域特徴にあった土木積算を精度高く行うことが可能になります。
30年の実績と土木積算のノウハウが蓄積された土木積算システム「アトラス」。
その大きな特徴は全国に配置した拠点による地域に密着したサポート体制とシステムのローカライズ(地域化)。
昨今、地域や担当者ごとの土木積算の特徴や習慣をおさえることが土木積算精度を上げるうえで大切になってきています。
アトラスでは各地の拠点にて地域の情報収集、検証作業を行い、知見を蓄積し、導入ユーザーに土木積算ノウハウを共有しています。
昨今の公共⼟⽊⼯事⼊札は、建設⼯事の中でも特に精度が求められています。
土木積算システム「アトラス」を展開するコンピュータシステム研究所の協力のもと、公共工事、土木工事の落札のコツ・ポイントについて解説!