公共土木工事の入札で勝ち、案件を落札するためには、より精度の高い土木積算が求められています。ここでは、土木積算システム「アトラス」を展開するコンピュータシステム研究所の協力をえて、石川県の土木積算の特徴・コツについてまとめました。
土木積算システム「アトラス」を展開するコンピュータシステム研究所では、全国21拠点に調査スタッフ&サポートスタッフを配置し、発注者ごとに異なる土木積算の傾向や癖などの情報を収集しています。大量の設計書の検証作業など、⽇々土木積算の精度を上げるためのローカルな情報を蓄積し、その知見を活かしシステムの精度アップや地域の土木業者のサポートを行っています。ここではその一部をお見せいたします。(下記情報は株式会社コンピュータシステム研究所の提供資料より引用もしくは参照し作成しております。)
県の発注については、予定価格は入札公告時に公表されます。また、最低制限価格と低入札調査価格の算出式は、公契連モデルに準拠しています。
これらの事情により、入札においてはくじ引きに参加できるよう最低制限価格ちょうどの積算を行うことが必要。精度の高い積算が求められることになります。
なお市町村単位では、令和3年度から津幡町、令和4年度から金沢市において「変動型最低制限価格制度」が導入されています。他の市町村にも追随する動きが見られることから、今後の動向には要注目です。
石川県では、基本的に国土交通省や農林水産省、厚生労働省の歩掛基準をそのまま採用しています(一部例外として独自基準を採用する場合あり)。改定月は、一般土木系が毎年10月、農林・治山系が毎年7~8月。「石川県認定新技術」(かんたん法枠工法、生えてコン等)については、石川県独自の歩掛基準が積算に採用されています。
なお、金沢市企業局の管工事については、企業局独自で設定した歩掛が多数あることを理解しておいたほうが良いでしょう。
一般土木工事と農林・治山工事、どちらにおいても石川県独自で作成した単価を使い積算が行われています。
この県独自の単価については、建設物価・積算資料の平均単価をベースに月1回のペースで作成されていますが、作成において「変動率」を考慮するという独自のルールがあります。毎回の「変動率」は県の公式サイトで公表され、「変動率」の対象となった単価のみを最新の数字に更新し、それ以外の単価は前月からの据え置きとします。
なお上下水道工事については、各市町村で独自資材の見積徴収を行っているため、積算においては各市町村が採用する単価を把握しておくことが重要になります。
積算に必要となる情報は、基本的に設計書内に全て記載されています。また、記載内容も積算基準に準拠されている場合がほとんどなので、設計書から必要な情報を正しく読み取れば、歩掛選択、条件設定、経費計算の流れがスムーズに運ぶことでしょう。経費計算基準については国の改定に準拠し、設計書内にその適用年月日が明記されています。
また、一般土木工事の歩掛や単価については、設計書内に歩掛コードや単価コードが記載されているため、積算に悩むことはほとんどないと思われます。
なお、金沢市の場合は設計書に一部記載のない項目もあるため、積載には注意が必要です。
金抜き設計書の摘要欄に、一部の単価に対して「間〇」という表記を見ることがあります。〇の部分には、数字やアルファベット等が入ります。
この「間〇」という表記は、経費計算を行う際に影響を及ぼす単価に付されるもの。この「間〇」の意味を知らずに積算を行った場合、大きく違算してしまう恐れがあるので注意しなければなりません。以下、主な「間〇」の例を見てみましょう。
「間1」
当該金額は、共通仮設費の計算対象額から除外されます。
「間5」
当該金額は、共通仮設費・現場管理費の計算対象金額から除外されます。
「間9」
当該金額は、共通仮設費・現場管理費・一般管理費の計算対象金額から除外されます。
「間T」
当該金額は処分費として計上され、処分費3%上限の計算に用いられます。
設計書内において、歩掛コードの代わりに「V〇〇〇〇」という表記のある単価表は、設計書の作成者が手入力で作成した単価表であることを意味しています。
このタイプの単価表の使い方は2種類。1種類目が、1つの工種の中に複数の歩掛や単価を積算する場合です。2種類目が、すべて手作業で単価表を作成したい場合です。
注意したいのは、後者の目的で使う場合。積算としては歩掛を積み上げるだけで問題ありませんが、その歩掛の出所を正しく推測して積算を行う必要があります。設計書内にある規格・名称・単価表の構成内容などを材料に、歩掛の出所を判断するしかありません。
なお、積算時に手入力を行った単価には、コードの代わりに「X〇〇〇〇」という表記がある場合もあります。このタイプの単価についても、見積もりを計上した単価なのか、または物価資料の冊子から平均を取った単価などか等を正しく推測し、積算を行う必要があります。
各地域の特徴を日々収集し研鑽しつづける土木積算システム「アトラス」
上記の他にもまだまだたくさんの各地域独自の土木積算の特徴やルール、クセ(習慣)などが存在しています。これらを土木会社の一人の担当者が常にキャッチアップしていくことはほぼ不可能です。
土木積算システム「アトラス」は全国21拠点のサポート体制を持ち、各地域の発注者の特徴や情報を日々収集し、検証作業を行い、システムのアップデートやユーザーのサポートをおこなっています。アトラスのサポートやシステムを使うことで効率的に地域特徴にあった土木積算を精度高く行うことが可能になります。
30年の実績と土木積算のノウハウが蓄積された土木積算システムATLUS REAL Evo(アトラス レアル エボ)。
その大きな特徴は全国に配置した拠点による地域に密着したサポート体制とシステムのローカライズ(地域化)。
昨今、地域や担当者ごとの土木積算の特徴や習慣をおさえることが土木積算精度を上げるうえで大切になってきています。
アトラスでは各地の拠点にて地域の情報収集、検証作業を行い、知見を蓄積し、導入ユーザーに土木積算ノウハウを共有しています。
昨今の公共⼟⽊⼯事⼊札は、建設⼯事の中でも特に精度が求められています。
土木積算システム「アトラス(ATLUS REAL Evo)」を展開するコンピュータシステム研究所の協力のもと、公共工事、土木工事の落札のコツ・ポイントについて解説!