ドボセキ 土木積算システムで絶対落札 » 地域別、具体的な積算のコツ » 鹿児島県の土木積算・入札制度の地域傾向、特徴

鹿児島県の土木積算・入札制度の地域傾向、特徴

公共土木工事の入札で勝ち、案件を落札するためには、より精度の高い土木積算が求められています。ここでは、土木積算システム「アトラス」を展開するコンピュータシステム研究所の協力をえて、鹿児島県の土木積算の特徴・コツについてまとめました。

土木積算システム「アトラス」を展開するコンピュータシステム研究所では、全国21拠点に調査スタッフ&サポートスタッフを配置し、発注者ごとに異なる土木積算の傾向や癖などの情報を収集しています。大量の設計書の検証作業など、⽇々土木積算の精度を上げるためのローカルな情報を蓄積し、その知見を活かしシステムの精度アップや地域の土木業者のサポートを行っています。ここではその一部をお見せいたします。(下記情報は株式会社コンピュータシステム研究所の提供資料より引用もしくは参照し作成しております。)

鹿児島県の土木工事入札制度の現状

予定価格について

平成27年(2015年)4月1日から予定価格の事後公表を5000万円以上から2500万円以上の建設工事に適用されるようになりました。

  • 2500万以上の工事は予定価格(事後公表)
    ※1200万以上の舗装工事は予定価格(事後公表)
  • 2500万未満の工事は予定価格(事前公表)

2500万未満の工事は予定価格について公表されていますが、一部地域や工種・ランクによっては最低制限価格での競争となっており、精度の高い積算が求められております。

最低制限価格について

平成24年より変動方式(ランダム)による最低制限価格が廃止され、これまで「たまたま受注できた」の時代が終焉を迎え、「1円単位」の非常にシビアな「積算精度」が問われる価格競争が始まりました。

それから現在に至るまで数回の最低制限価格の見直し(算定式変更)が行われ、最低制限価格が10年前に比べて約5%引上げになった今でも鹿児島県においては「積算精度」は最重要視されております。

鹿児島県の土木積算における歩掛と単価と経費の特徴

歩掛と単価の特徴(鹿児島県の土木積算)

【ポイント】積算で必要とされる「単価・歩掛」の根拠を掴むことが「積算精度向上」において重要な要素です!

ほとんどの県や地方自治体では国(国土交通省や厚生労働省等)の基準を転用・流用しますが、鹿児島県では「公共3部(土木(港湾)・農林・林務)」・「営繕(建築)」「上水道(市町村)」等に一部工種で独自基準を持ちます。

公共3部 土木(港湾)・農林・林務の土木積算独自基準

  • 歩掛:毎年10月に年度改定を実施。毎月の市場動向等にて内容が改定されるケースがあります。また、工種により一部県独自の歩掛を採用して積算を行います。
  • 単価:4月・7月・10月・1月・労務改定(2~3月頃) ※左記の他、市場動向により適宜改定可能性あり

営繕(建築)の土木積算独自基準

毎年7月(年度改定)・10月・1月・4月に省略単価(機労材含む)の改定他、市場動向等にて内容が改定される可能性があります。

上水道(市町村)の土木積算独自基準

  • 歩掛:毎年概ね4月に年度改定を実施。※市町村により異なる場合があるため
  • 単価:使用する単価金額根拠は主に「建設物価(WEB版含む」「積算資料(電子版含む)」「土木コスト情報」「建築コスト情報」「土木施工単価」「建築施工単価」になりますが、 市町村が使用する電算ごとに単価採用基準(数値処理・採用号月など)が異なる場合があります。※基本 年1回 4月改定(鹿児島市 年2回 4月10月改定)

経費基準とその他の特徴(鹿児島県の土木積算)

【ポイント】発注機関が使用する電算の特徴を把握して積算に用いることが「積算精度向上」において重要な要素です!

経費基準の特徴

  • 鹿児島県土木部の処分費の扱いについて
    →考え方は国交省基準に準拠しているが、計算方法に少し特徴があります。
      3%の限度額(考え方) 国の場合: 3/100  鹿児島県の場合 3/97
  • 工事価格(予定価格)について
    →税抜き工事価格は “千円未満切捨て” となり、一般管理費で切捨て額を調整しております。


その他の特徴

工種(発注機関が使用する電算)によって異なるコードが存在

【例】県土木部が使用する電算の場合

  • 諸雑費コード〔#01 など〕 : 歩掛内の諸雑費率を計算する際に使用します。
  • 丸めコード〔#10 など〕  : 歩掛内の丸め処理を行う際に使用します。
  • 特殊集計コード〔#0043など〕:経費計算時に特別な意味を持ちます。

※各コードごとに処理が異なるため、把握しておかないと計算結果に差異が現れます。

鹿児島県の土木積算において多くの方が頭を悩ます、予定価格から相違する箇所

【実例】県土木部発注の “上層路盤工・下層路盤工” についての注意点

歩掛条件【施工区分】の条件選択にて下図、施工内訳表の 左上に記載されている規格だけで判断をしてしまうと違算に繋がる可能性があります。

施工内訳表上部

施工内訳表の下部に記載されております “全仕上り厚”の数値を用いてご判断下さい。下記に判断及び計算例を記載いたします。

施工内訳表上部

判断及び計算例

図の全仕上り厚が150mmであるため、積算基準書の(注)等に記載のある “条件の説明”を引用いたします。記載の通りに計算いただき、施工区分の条件では正しい層数施工を採用する必要があります。

  • 下層路盤の場合 :1500mm ÷ 200mm =0.75 → 小数点以下切り上げ 『1層施工』
  • 上層路盤の場合 :1500mm ÷ 150mm =1 → 小数点以下切り上げ 『1層施工』

積算基準書の(注)等に記載のある 条件の説明

【ポイント】設計書をどのように読み解くかが積算精度向上の分かれ目です!

【実例】県土木部発注の “離島工事における機械賃料補正” についての注意点

令和4年4月1日より、当初積算で「週休2日補正」が適用されています。適用範囲は労務費・機械賃料・経費です。これらのうち機械賃料には、「×1.04」の補正係数が乗じます。

また、離島における機械賃料については、本土価格とは異なる離島専用の単価が設定されます。単価は設計書末の帳票(登録単価一覧表)にてご確認ください。 なお、この機械賃料には「週休2日補正」が反映されていません。応札者側が発注者指定の端数処理にて補正を行う形となります。
以下で計算例を確認してみましょう。

単価一覧表
  • 土木部:72,334円×1.04=75,227円(1円未満切捨)
  • 農政部:72,334円×1.04=75,200円(有効数字3桁止/未満四捨五入)
  • 環境林務部:72,334円×1.04=75,200円(有効数字3桁止/未満四捨五入)

計算する際には、発注者ごとに端数処理が異なる点にご注意ください。

各地域の特徴を日々収集し研鑽しつづける土木積算システム「アトラス」

上記の他にもまだまだたくさんの各地域独自の土木積算の特徴やルール、クセ(習慣)などが存在しています。これらを土木会社の一人の担当者が常にキャッチアップしていくことはほぼ不可能です。
土木積算システム「アトラス」は全国21拠点のサポート体制を持ち、各地域の発注者の特徴や情報を日々収集し、検証作業を行い、システムのアップデートやユーザーのサポートをおこなっています。アトラスのサポートやシステムを使うことで効率的に地域特徴にあった土木積算を精度高く行うことが可能になります。

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地域ごとノウハウが充実
⼟⽊積算システムアトラスとは?
全国21拠点で地域の発注者特徴を把握&研究し積算精度を⽇々研鑽。

30年の実績と土木積算のノウハウが蓄積された土木積算システムATLUS REAL Evo(アトラス レアル エボ)。
その大きな特徴は全国に配置した拠点による地域に密着したサポート体制とシステムのローカライズ(地域化)。
昨今、地域や担当者ごとの土木積算の特徴や習慣をおさえることが土木積算精度を上げるうえで大切になってきています。
アトラスでは各地の拠点にて地域の情報収集、検証作業を行い、知見を蓄積し、導入ユーザーに土木積算ノウハウを共有しています。

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