公共土木工事の入札で案件を落札するには、より精度の高い土木積算に取り組む必要があります。ここでは、土木積算システム「アトラス」を展開するコンピュータシステム研究所の協力をえて、大分県の土木積算の特徴・コツについてまとめました。
大分県及び多くの市町村から発注される土木工事の予定価格は事前発表が採用されています。
大分県及び市町村で扱われている最低制限価格は、以下の算出方式で算出されています。予定価格の下限75%、上限95%が最低制限価格としています。
最低制限価格算出後の端数処理については、大分県の中でも市町村によって独自の基準を持って行っています。
例としては、日田市、豊後高田市、九重町は、「万円未満切捨て」、杵築市、玖珠町は「千円未満切捨て」、中津市は、「最低制限割合に対して小数第3位切捨て」となっています。大分県及びその他の市町村は、最低制限割合に対して四捨五入としています。
基本的に、国土交通省や厚生労働省等の基準書に準拠したものとしています。
自治体によって異なる場合もありますが、改定時期は7~8月に行います。
一般資材は毎月15日、二次製品など特殊資材については4月15日、10月15日に改定されています。
市場単価に関しては、夏・秋・冬の季節号が採用されています。季節号の範囲はそれぞれ、7/15~9/14(夏号)、
9/15(10月)~12/14月(12月)(秋号)12/14(1月)~7/14(6月)(冬号)となります。
経費は例年7~8月に改定されていますが、令和4年度は最低制限価格の改定が重なったため、4月に改定されました。
設計書は、「総括情報表」と「特記仕様書」「現場説明書」などがあります。
総括情報表には、工種区分、単価適用日、単価地区、経費条件など積算に必要な情報が明記されており、発生土処分費や見積もり単価等その他の情報は、特記仕様書や現場説明書に記載されます。
大分県の工事価格は、税抜き工事価格は千円まるめとなり、一般管理費で調整しています。
その他諸経費、諸雑費設定が設計書に明示されています。
土木工事を例にした場合
「処」は処分費等 、「諸×」は全ての諸経費の対象外、「定:〇」は諸雑費等の対象 「参:〇」は諸雑費等と細かく設定されています。大分県の入札制度に応じた積算で相違する箇所は、設計書の内容に「スクラップ費」や「共通仮設費の積上げ項目」(準備費や運搬費、技術管理費など)、
電気通信設備工事の「機器単体費」、鋼橋制作工事の「工場製作費」が明記されている場合には、最低制限価格の算出式が大分県独自のもので計算される点です。
共通仮設費の積上げ項目(準備費や運搬費、技術管理費など)は、直接工事費の率計算に含まれますが、スクラップ費は対象外であるため含まれません。
電気通信設備工事や鋼橋製作l工事はさらに項目が分かれており、 機器単体費と間接労務費、工場製作費と間接労務費は直接工事費として、機器間接費や工場管理費は編場管理費の率計算に含まれます。
30年の実績と土木積算のノウハウが蓄積された土木積算システムATLUS REAL Evo(アトラス レアル エボ)。
その大きな特徴は全国に配置した拠点による地域に密着したサポート体制とシステムのローカライズ(地域化)。
昨今、地域や担当者ごとの土木積算の特徴や習慣をおさえることが土木積算精度を上げるうえで大切になってきています。
アトラスでは各地の拠点にて地域の情報収集、検証作業を行い、知見を蓄積し、導入ユーザーに土木積算ノウハウを共有しています。
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土木積算システム「アトラス(ATLUS REAL Evo)」を展開するコンピュータシステム研究所の協力のもと、公共工事、土木工事の落札のコツ・ポイントについて解説!