ドボセキ 土木積算システムで絶対落札 » 地域別、具体的な積算のコツ » 岩手県の土木積算・入札制度の地域傾向、特徴

岩手県の土木積算・入札制度の地域傾向、特徴

公共土木工事の入札で勝ち、案件を落札するためには、より精度の高い土木積算が求められています。ここでは、土木積算システム「アトラス」を展開するコンピュータシステム研究所の協力をえて、岩手県の土木積算の特徴・コツについてまとめました。

土木積算システム「アトラス」を展開するコンピュータシステム研究所では、全国21拠点に調査スタッフ&サポートスタッフを配置し、発注者ごとに異なる土木積算の傾向や癖などの情報を収集しています。大量の設計書の検証作業など、⽇々土木積算の精度を上げるためのローカルな情報を蓄積し、その知見を活かしシステムの精度アップや地域の土木業者のサポートを行っています。ここではその一部をお見せいたします。(下記情報は株式会社コンピュータシステム研究所の提供資料より引用もしくは参照し作成しております。)

岩手県の公共工事 入札の現状

予定価格は事前公表

手県の発注工事の特徴として挙げられるのが、「原則として予定価格が事前公表」となっている点です。

東日本大震災発生前、平成22年度の県営工事発注額は429億円となっており、さらに「調査基準価格」未満の低入札の発生割合は45.9%と半数近くに達していました。しかし東日本大震災以降、復興関連工事が大量に発注されたことによって、ピークの平成25年度には県営工事発注額が1,822億円となっており、そのうち低入札の発生割合は19.2%と大幅に減少しています。

県営建設工事の発注額、低入札落札発生の推移

総合評価落札方式を導入

現在は復興関連の工事も第1期復興・創生期間が終了したこともあり、今回は発注額の減少が予想されています。それに伴って競争が激しくなると考えられることから、岩手県ではダンピングへの対策を目的として、発注する工事のおよそ6割を「総合評価落札方式」での発注としています。

さらに、以前は調査基準価格を下回っている場合でも価格評価点が高くなっていましたが、令和3年度から低入札を行った際には価格評価点が打ち切り調整されるようになりました。このことにより、低入札での札入れは意味が無くなっています。 以上から、正確な積算により低入札とならないように対応していくことが必要となります。

価格評価点の概念図

岩手県の公共工事の積算に
必要な情報

公共工事の入札について競争が激しくなる中で、調整基準価格を正確に求め、さらに落札率を上げるためには「正確なデータ」と「正確な知識」が求められます。ここでいう「正確なデータ」とは、下記のような内容となります。

  • 岩手県が管理する単価
  • 建設物価・積算資料などの物価本
  • 積算基準や積算要領

単価

岩手県が管理を行う単価については、毎年4月に全面的な改定が行われています。改定を行う際には、建築物価・積算資料等の物価資料は3月号を使用し、その平均値を採用しています。全面改定を行った後は、その月の前月号と比較することにより、「主要資材は5%以上の変動があった場合」「その他の一般資材は10%以上の変動があった場合」に改定が行われます。

「主要資材」とは、アスファルト合材、生コンクリート、鉄筋コンクリート用棒鋼、石材、燃料類を指しますが、このうちアスファルト合材・生コンクリート・石材といった地域性のある単価については、1規格でも5%以上変動があった場合、その地区全ての単価改定が行われます。

市場単価・土木工事標準単価については、年4回(4月・6月・9月・12月)改定が行われます。この改定を行う際に用いる号数は下記の通りとなっています。

  • 単価表:4月以降入札公告適用単価
    適用する物価資料:土木コスト情報(冬)、土木施工単価(冬)
  • 単価表:6月以降入札公告適用単価
    適用する物価資料:土木コスト情報(春)、土木施工単価(春)
  • 単価表:9月以降入札公告適用単価
    適用する物価資料:土木コスト情報(夏)、土木施工単価(夏)
  • 単価表:12月以降入札公告適用単価
    適用する物価資料:土木コスト情報(秋)、土木施工単価(秋)

市場価格・土木工事標準単価は4月に全面改定し、その後は10%以上の変動があった場合に改定が行われます(一般資材と同様のルールです)。
また、県が管理していない単価は、公告月の物価本単価を平均して採用するという方法を原則としています。

歩掛や経費

岩手県では、歩掛や経費などの積算基準の改定については、ほぼ全ての発注において毎年10月に改定されています(県土整備部、農村整備部、港湾漁港部、森林保全・治山事業)。
また、公共建築積算基準(営繕工事)については、毎年7月に改定が行われています。

直接工事費等の金額、諸経費金額の
端数処理ルール

県土整備部・港湾部

  • 直接工事費等金額は1円未満を切り捨て
  • 共通仮設費及び現場管理費率は計上金額の千円未満切り捨て
  • 一般管理費は工事価格が千円単位になるように減額調整

農村整備部

  • 工種毎金額は千円未満を四捨五入
  • 共通仮設費及び現場管理費率は計上金額の千円未満を四捨五入
  • 一般管理費は千円未満を切り捨て

森林保全・治山事業

  • 明細毎金額は千円未満を切り捨て
  • 共通仮設費及び現場管理費率は計上金額の千円未満を切り捨て
  • 一般管理費は千円未満を切り捨て

岩手県の公共工事 積算の特徴

冬期補正

労務費

県土整備部では、以下の条件を満たした場合に労務費に対して冬季労務補正を行います。

【条件】11月1日以降の入札する屋外工事で、工期が同年度3月31日まで、かつ12月1日から3月31日までの期間が全工期の2分の1以上を超える場合

ただし、この労務費の補正については、下記の場合には補正が行われないため注意が必要です。

  • 主体工事がトンネル坑内作業のもの
  • 工場製作
  • その他屋内作業と認められる工事
  • 除雪など、冬季に行うことが前提の作業

施工時期補正

現場管理費については施工時期補正が行われます。この補正は、「12月1日〜3月31日」という岩手県で定められている冬季期間が工期全体のどれくらいを占めているかという割合(=冬季率)に、施工場所(積雪寒冷地域)に応じて定められている補正係数(岩手県の対象地区は4級地であり「1.2」を使用)を乗じて算出を行います。

施工時期補正は、労務費に対して行う補正とは異なり、冬季期間に工期が1日でも重なる場合には補正を行うという点がポイントです(入札期間や工期などの制約はありません)。

こちらの補正については、岩手県の場合対象外となっているのは旧川井村・旧新里村・旧田老町を除く旧宮古市、山田町、大槌町、釜石市、大船渡市、陸前高田市までの沿岸部です。それ以外の地域については補正を行います。

豪雪補正

続いて、機械損料の豪雪補正について紹介します。この豪雪補正は入札時期に関わらず、岩手県内の発注工事にかかる補正です(豪雪補正10%が補正されます)。

ただ、積雪により機械の稼働率低下をもたらさない場合については補正が行われません。例えば除雪作業に使用する機械やトンネル工事で使用される機械などが該当します。また、仙台や東京など、豪雪地域補正の対象外となっている地域から輸送して使用する機械についても補正は行いません。

東日本大震災特例

岩手県では、東日本大震災の復旧・復興事業などにおける積算方法(復興係数)を適用しています(2022年現在)。この積算方法では、「共通仮設費率:1.5倍」、「現場管理比率:1.2倍」として経費計算を実施します。

さらに、東日本大震災の被災地において使用する建設機械の機械損料を適用しています。こちらでは建築工事を除く県営建設工事に使用するブルドーザー(リッパ付きブルドーザーを除く)、バックホウ、ダンプトラック(建設専用ダンプトラックを除く)の運転1時間(日曜)あたりの損料に対して、105/100を乗じる形で補正を行っています。

加えて、東日本大震災の被災地で適用している積算基準(復興歩掛)の適用も行っており、土木3工種における日当たり作業量について20%の補正を行っています(2022年より10%補正)。

施工箇所が点在する工事の積算

施工箇所が複数に渡る工事をひとつにまとめて発注した場合に、共通仮設費と現場管理費は別々の工事として計算し、一般管理費についてはひとつにまとめて計算します。
積算基準書上では、「施工箇所が複数あり、その点在範囲が1kmを超える工事」が対象となっていますが、岩手県の場合には100mを超えて点在する工事が対象となっている点が特徴といえます。

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各地域の特徴を日々収集し研鑽しつづける土木積算システム「アトラス」

上記の他にもまだまだたくさんの各地域独自の土木積算の特徴やルール、クセ(習慣)などが存在しています。これらを土木会社の一人の担当者が常にキャッチアップしていくことはほぼ不可能です。
土木積算システム「アトラス」は全国21拠点のサポート体制を持ち、各地域の発注者の特徴や情報を日々収集し、検証作業を行い、システムのアップデートやユーザーのサポートをおこなっています。アトラスのサポートやシステムを使うことで効率的に地域特徴にあった土木積算を精度高く行うことが可能になります。

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⼟⽊積算システムアトラスとは?
全国21拠点で地域の発注者特徴を把握&研究し積算精度を⽇々研鑽。

30年の実績と土木積算のノウハウが蓄積された土木積算システムATLUS REAL Evo(アトラス レアル エボ)。
その大きな特徴は全国に配置した拠点による地域に密着したサポート体制とシステムのローカライズ(地域化)。
昨今、地域や担当者ごとの土木積算の特徴や習慣をおさえることが土木積算精度を上げるうえで大切になってきています。
アトラスでは各地の拠点にて地域の情報収集、検証作業を行い、知見を蓄積し、導入ユーザーに土木積算ノウハウを共有しています。

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