公共土木工事の入札で勝ち、案件を落札するためには、より精度の高い土木積算が求められています。ここでは、土木積算システム「アトラス」を展開するコンピュータシステム研究所の協力をえて、静岡県の土木積算の特徴・コツについてまとめました。
土木積算システム「アトラス」を展開するコンピュータシステム研究所では、全国21拠点に調査スタッフ&サポートスタッフを配置し、発注者ごとに異なる土木積算の傾向や癖などの情報を収集しています。大量の設計書の検証作業など、⽇々土木積算の精度を上げるためのローカルな情報を蓄積し、その知見を活かしシステムの精度アップや地域の土木業者のサポートを行っています。ここではその一部をお見せいたします。(下記情報は株式会社コンピュータシステム研究所の提供資料より引用もしくは参照し作成しております。)
静岡県では平成10年度から試行的に事後公表化が始まり、現在では33市町のうち29市町で事後公表にて工事発注されております。
そして87%以上の工事で低入札価格調査基準または最低制限価格が設定されていることもあり、最低制限価格付近での叩き合い案件が多いのが静岡県の現状となります。
現在では国が定める全国統一的指標である『低入札価格調査基準または最低制限価格の設定・活用の徹底』や『施工時期の平準化』、『週休2日制工事の導入』といった事項にも各発注者が積極的に取り組んでおり、それらからなる細かな積算条件の設定も積算担当者の頭を悩ます要因となっております。
また発注者システムも県独自のシステムを使っている発注者が多く、国交省基準をベースにしているものの独自単価や独自歩掛といった独自ルールを持っている発注者が多いことも静岡県の積算市場における特徴となります。
静岡県では、国(国土交通省や厚生労働省等)の基準に準拠(一部除く)しております。
毎年10月(2019年までは7月改定)に年度改定を実施。基準は「土木工事標準積算基準書」を準拠。
→道路工事や河川工事等にて使用される基準となります。
毎年10月(2019年までは7月改定)に年度改定を実施。基準は、「土地改良工事積算基準(農林水産省)」を準拠。
→圃場(ほじょう)整備工事や水路工事等にて使用される基準となります。
毎年10月(2019年までは7月改定)に年度改定を実施。静岡県独自基準「静岡県森林整備保全(工事及び委託)標準歩掛」または国の基準「治山林道必携」を使用。
→農林事務所が主に用いる基準となります。
→森林整備工事や治山地すべり工事等にて使用される基準となります。
毎年10月に年度改定(2019年までは7月改定)を実施。「水道施設整備費に係る歩掛表(厚生労働省)」を準拠。
→開削工事・シールド工事・浄水場の構造物工事等にて使用される基準となります。
静岡県では「土木事務所」「農林事務所」「企業局」「港管理局」にて独自の単価表を持ちます。毎月材料等の価格を改定します。
使用する単価金額根拠は主に「建設物価(WEB版含む」「積算資料(電子版含む)」「土木コスト情報」「土木施工単価」の当月(当季)号を参照とし、県のルールに基づき該当する2誌の平均値をとります。
※毎年4、10月に県公表の資材(刊行物は除く)の改定を実施します。
原則として3者以上の業者を選定することになっております。ただし、過去の使用実績などを勘案し、適切な価格設定が困難な場合は、できる限り多くの業者(5社以上)から見積徴収を行うこととなっております。※上記以外にも条件はございます。
MコードとTコードは、役所の設計担当者が案件ごとに作成した歩掛の目印です。『M=見積表』『T=単価表』の意味となります。
こちらの歩掛については、基準外の歩掛となる場合に見積を取る必要があります。
汚泥・濁水処理の運搬については、『公園除草工』の『トラックによる公園外への運搬』を使用しています。
公園除草工は、積算基準書に『公園の除草及び集草,積込・運搬に適用』と記載がありますが、汚泥・濁水処理の運搬については、こちらの歩掛を使用しております。
各地域の特徴を日々収集し研鑽しつづける土木積算システム「アトラス」
上記の他にもまだまだたくさんの各地域独自の土木積算の特徴やルール、クセ(習慣)などが存在しています。これらを土木会社の一人の担当者が常にキャッチアップしていくことはほぼ不可能です。
土木積算システム「アトラス」は全国21拠点のサポート体制を持ち、各地域の発注者の特徴や情報を日々収集し、検証作業を行い、システムのアップデートやユーザーのサポートをおこなっています。アトラスのサポートやシステムを使うことで効率的に地域特徴にあった土木積算を精度高く行うことが可能になります。
30年の実績と土木積算のノウハウが蓄積された土木積算システムATLUS REAL Evo(アトラス レアル エボ)。
その大きな特徴は全国に配置した拠点による地域に密着したサポート体制とシステムのローカライズ(地域化)。
昨今、地域や担当者ごとの土木積算の特徴や習慣をおさえることが土木積算精度を上げるうえで大切になってきています。
アトラスでは各地の拠点にて地域の情報収集、検証作業を行い、知見を蓄積し、導入ユーザーに土木積算ノウハウを共有しています。
昨今の公共⼟⽊⼯事⼊札は、建設⼯事の中でも特に精度が求められています。
土木積算システム「アトラス(ATLUS REAL Evo)」を展開するコンピュータシステム研究所の協力のもと、公共工事、土木工事の落札のコツ・ポイントについて解説!