公共土木工事の入札で勝ち、案件を落札するためには、より精度の高い土木積算が求められています。ここでは、土木積算システム「アトラス」を展開するコンピュータシステム研究所の協力をえて、埼玉県の土木積算の特徴・コツについてまとめました。
土木積算システム「アトラス」を展開するコンピュータシステム研究所では、全国21拠点に調査スタッフ&サポートスタッフを配置し、発注者ごとに異なる土木積算の傾向や癖などの情報を収集しています。大量の設計書の検証作業など、⽇々土木積算の精度を上げるためのローカルな情報を蓄積し、その知見を活かしシステムの精度アップや地域の土木業者のサポートを行っています。ここではその一部をお見せいたします。(下記情報は株式会社コンピュータシステム研究所の提供資料より引用もしくは参照し作成しております。)
埼玉県の県発注工事については、15年以上前から一般競争が行われています。
また、予定価格事後公表の対象金額も、開始された頃より引き下げられ、令和4年には工事で1千万円以上、土木施設維持管理の委託では500万円以上が事後に公表されています。
当初は積算に関して必要とされる情報があまり公開されていなかったため、価格に差の見られる入札も多々存在しました。
近年では、非公開だった見積単価の参照先も、交通誘導警備員の人数なども公開され始め、より正確な積算の実施が求められるようになっています。
金入り設計所(金額入り設計書)は、これまで情報公開請求により紙資料にて開示されていました。開示請求制度に則って、公文書の写しを交付してから、情報の公開が行われていたのです。
令和2年からは、その金入り設計書のインターネットを通じて情報提供され始め、今では入札参加者が情報を手に入れやすい環境が整えられつつあります。
そして、こうした流れに伴い、最低制限価格も正確に算出し、入札へと臨めるようになっています。
歩掛は、一つひとつの作業にかかる手間を数値化して表したものですが、これについては埼玉県とさいたま市(政令指定都市)、それぞれが基準書を作成しています。
そのため、各地域ごとにその基準書の内容を確認しておかなければなりません。毎年の改定月は、県が10月、さいたま市が8月となっています。
また、一般的な基準書には掲載されていなくても、発注者が独自に設定している基準も県とさいたま市、両方にあります。
歩掛と同じように、県とさいたま市では独自の土木単価表を作成しています。
さらには、水道発注工事については、県企業局・さいたま市水道局・各地区における水道資材単価と、数多く存在します。
用いる単価金額は、主に「物価本」が参考とされています。これは専門の調査会社が、工事費・建設資材の価格などを調べ、市場単価を業界・工事ごとに内容をまとめて発行しているもの。
「建設物価」「積算資料」「土木コスト情報」「土木施工単価」など、その当月に発行された号を参考に、該当している2誌から平均値をとって算出されます。
県とさいたま市では端数処理(丸め)が地域によって異なっています。
県土木発注工事の工事価格は千円単位での丸めが行われており、さいたま市の発注工事では万円丸めになっています。
低木剪定(寄植え)SC660343にて使用するバリカンには損料がかかります。こちらは令和3年度10月に「3000円」であるとの旨、埼玉県の基準書に掲載されています。 基準書は充分な確認が必要です。
照明器具取付(LED)SS000513の歩掛においては、従来、計算に組み込まれるLEDの照明器具は、共通仮設費の対象とはされていませんでした。
しかし、令和4年5月に基準書の改定が実施されたことに伴い、現在では経費の対象へと変わっています。
このように、基準書で内容を確かめる必要がある場合も見られます。
埼玉県整備事務所における単価契約の入札では、構成比率から逆算し、参考という形で費用を算出する方法も存在します。
さいたま市下水道・水道局においては、土留め賃料を求めるための計算が、発注者内にフォーマットとして存在しています。ただし、こちらの計算式は、入札後に開示請求などを行うことで内容を確認することが可能になっています。
各地域の特徴を日々収集し研鑽しつづける土木積算システム「アトラス」
上記の他にもまだまだたくさんの各地域独自の土木積算の特徴やルール、クセ(習慣)などが存在しています。これらを土木会社の一人の担当者が常にキャッチアップしていくことはほぼ不可能です。
土木積算システム「アトラス」は全国21拠点のサポート体制を持ち、各地域の発注者の特徴や情報を日々収集し、検証作業を行い、システムのアップデートやユーザーのサポートをおこなっています。アトラスのサポートやシステムを使うことで効率的に地域特徴にあった土木積算を精度高く行うことが可能になります。
30年の実績と土木積算のノウハウが蓄積された土木積算システムATLUS REAL Evo(アトラス レアル エボ)。
その大きな特徴は全国に配置した拠点による地域に密着したサポート体制とシステムのローカライズ(地域化)。
昨今、地域や担当者ごとの土木積算の特徴や習慣をおさえることが土木積算精度を上げるうえで大切になってきています。
アトラスでは各地の拠点にて地域の情報収集、検証作業を行い、知見を蓄積し、導入ユーザーに土木積算ノウハウを共有しています。
昨今の公共⼟⽊⼯事⼊札は、建設⼯事の中でも特に精度が求められています。
土木積算システム「アトラス(ATLUS REAL Evo)」を展開するコンピュータシステム研究所の協力のもと、公共工事、土木工事の落札のコツ・ポイントについて解説!