公共土木工事の入札で勝ち、案件を落札するためには、より精度の高い土木積算が求められています。ここでは、土木積算システム「アトラス」を展開するコンピュータシステム研究所の協力をえて、京都府の土木積算の特徴・コツについてまとめました。
土木積算システム「アトラス」を展開するコンピュータシステム研究所では、全国21拠点に調査スタッフ&サポートスタッフを配置し、発注者ごとに異なる土木積算の傾向や癖などの情報を収集しています。大量の設計書の検証作業など、⽇々土木積算の精度を上げるためのローカルな情報を蓄積し、その知見を活かしシステムの精度アップや地域の土木業者のサポートを行っています。ここではその一部をお見せいたします。(下記情報は株式会社コンピュータシステム研究所の提供資料より引用もしくは参照し作成しております。)
現在、京都府発注工事の最低制限価格は事後公表となっています。
予定価格は平成以降、予定価格の漏洩等もあり予定価格の事前公表・事後公表をくり返していましたが、平成24年以降予定価格の事後公表が拡大しております。
過去の予定価格漏洩への対策として「建設工事等の発注事務等に関する京都府発注担当職員行動指針」、「建設工事等の入札情報に関する問い合わせ等に係る取扱要綱」が予定価格事後公表に併せて制定されました。
その後、事後公表案件は国交省の指針に基づき拡大を続け、現在では予定価格4500万円以上の全ての工事、2500万円以上4500万円未満の土木一式工事の一部、2500万円以上の舗装工事の全てで予定価格は事後公表となっております。
最低制限価格につきましては、過去、現場管理費にαと呼ばれる補正係数(0.94~1.06)がかけられていましたが、現在の発注案件については、補正係数1.00と固定されており、抽選勝負を強いられている状況です。
制度として撤廃されたわけではないため、注意は必要であり、一部市町村では上記補正を採用しているところもあります。
これらの経緯の中で京都府発注案件参加業者様の積算精度は高く、予定価格事前公表案件であっても抽選での落札業者決定の割合が非常に高く、全案件事後公表化に備え1円単位での積算精度向上に取り組まれているのが京都府市場といえます。
基本的に国(国土交通省や厚生労働省等)の基準を転用・流用します。
通年8月に年度改定を実施。毎月の市場動向等にて内容が改定可能性がございます。
道路工事や公園工事、街路灯工事等、屋外の工事にて使用される基準となります。
毎年8月に年度改定を実施。毎月の市場動向等にて内容が改定される可能性がございます。開削や管更生、シールド工事等で使用されます。
実務必携の発刊に際して年度改定を実施。
毎月の市場動向等にて内容が改定される可能性がございます。
管布設・水道施設工事にて使用されます。
京都府は採用の優先順位として
「京都府土木単価」>物価本平均(WEB建設物価、積算資料電子版含む) 」> 「建設物価」・「積算資料」
という原則のもと、該当する2誌の平均値をとります。
京都府土木単価とは土木工事単価資料のことでありこれは京都府庁にて閲覧が可能です。
積算で採用する土木単価は、閲覧設計書に記載されている”積算条件”に採用月が明示されておりますが、物価本単価の採用につきましては、別紙の積算参考資料で指定されているおり、適切な単価採用が必要です。
「土木事務所発注」について共通仮設費・現場管理費率分金額は千円未満切捨ての端数処理とします。
京都府では物価資料の該当は2誌平均値となりますが、単位換算等を踏まえた平均の場合、特徴があります。
基本ルールは、「平均価格の有効桁は対象の価格を比較し最も大きい有効桁としそれ以下の端数は切り捨てるものとする。ただし、対象の価格で最も大きい有効桁が3桁未満のときは平均価格の有効桁は3桁とする。」
ですがこのルールを誤ると積算結果にも大きく影響を及ぼします。
例)
①建設物価123,500円 積算資料132,000円 = 127,750円 ⇒ 127,700円
②建設物価180円 積算資料170円 = 175円 ⇒ 175円
①建設物価 1本4m 1,530円=1,530÷4=382.5 ⇒ 382円有効桁3桁化
②積算資料 1本4m 1,240円=1,240÷4=310 ⇒ 310円有効桁3桁化
382+310=692円=346円/m
京都府では仕訳表に対し「有効4桁まるめ」処理をする必要があります。
丸めには2通りあり「加算方式」「減額方式」があります。
丸めの必要有無を確認する方法として仕訳表の中に「諸雑費」が計上されている場合は「まるめ」処理が必要です。
積算参考資料における見積歩掛の諸雑費計上方法については2種類あり、
①「○%以内」または「〇%を乗じた~、端数処理」
→この場合、率+まるめの設定が必要です。
②「○%」
→この場合は、率のみとなります。
各地域の特徴を日々収集し研鑽しつづける土木積算システム「アトラス」
上記の他にもまだまだたくさんの各地域独自の土木積算の特徴やルール、クセ(習慣)などが存在しています。これらを土木会社の一人の担当者が常にキャッチアップしていくことはほぼ不可能です。
土木積算システム「アトラス」は全国21拠点のサポート体制を持ち、各地域の発注者の特徴や情報を日々収集し、検証作業を行い、システムのアップデートやユーザーのサポートをおこなっています。アトラスのサポートやシステムを使うことで効率的に地域特徴にあった土木積算を精度高く行うことが可能になります。
30年の実績と土木積算のノウハウが蓄積された土木積算システムATLUS REAL Evo(アトラス レアル エボ)。
その大きな特徴は全国に配置した拠点による地域に密着したサポート体制とシステムのローカライズ(地域化)。
昨今、地域や担当者ごとの土木積算の特徴や習慣をおさえることが土木積算精度を上げるうえで大切になってきています。
アトラスでは各地の拠点にて地域の情報収集、検証作業を行い、知見を蓄積し、導入ユーザーに土木積算ノウハウを共有しています。
昨今の公共⼟⽊⼯事⼊札は、建設⼯事の中でも特に精度が求められています。
土木積算システム「アトラス(ATLUS REAL Evo)」を展開するコンピュータシステム研究所の協力のもと、公共工事、土木工事の落札のコツ・ポイントについて解説!