公共土木工事の入札で勝ち、案件を落札するためには、より精度の高い土木積算が求められています。ここでは、土木積算システム「アトラス」を展開するコンピュータシステム研究所の協力をえて、新潟県の土木積算の特徴・コツについてまとめました。
土木積算システム「アトラス」を展開するコンピュータシステム研究所では、全国21拠点に調査スタッフ&サポートスタッフを配置し、発注者ごとに異なる土木積算の傾向や癖などの情報を収集しています。大量の設計書の検証作業など、⽇々土木積算の精度を上げるためのローカルな情報を蓄積し、その知見を活かしシステムの精度アップや地域の土木業者のサポートを行っています。ここではその一部をお見せいたします。(下記情報は株式会社コンピュータシステム研究所の提供資料より引用もしくは参照し作成しております。)
新潟県が発注する建設工事については、全て予定価格が事後公表となっています。
最低制限価格は、新潟県が定める「最低制限価格算定式」で算出します。発注区分に応じ、異なる算定式を採用している点が特徴と言えるでしょう。
近年、新潟県が発注する建設工事においては、週休2日補正工事が多く見られています。この背景には、当初設計額が1000万円以上の工事について、令和3年4月以降、新潟県では「発注者指定型」として週休2日補正の対象になったことがあります。
県が週休2日補正工事を推進していることから、県内の市町村でも徐々に週休2日補正工事が増加しています。
週休2日工事には、「週休2日取得モデル工事(現場閉所型)」と「週休2日取得モデル工事(交替制)」の2種類があります。
【週休2日取得モデル工事(現場閉所型)とは】
現場を完全週休2日で閉所する工事です。
【週休2日取得モデル工事(交替制)とは】
現場を完全週休2日で閉所できない工事を対象に、労働者が交代勤務をしながら週休2日を確保する工事です。
新潟県が発注する建設工事では、当初設計額が1000万円以上の工事に対して「発注者指定型」の週休2日補正を適用し、当初設計額が1000万円未満の工事に対して「受注者指定型」の週休2日補正を適用します。
「発注者指定型」においては、当初設計の段階で4週8休相当以上の補正が行われています。仮に、指定された4週8休等が達成できなかった場合、現場閉所の状況に応じて減額変更になる仕組みです。
一方で「受注者指定型」においては、当初設計で補正が行われることはありません。現場閉所の達成状況に応じて増額変更が行われる仕組みとなります。
「土木」と「港湾」については、概ね国の積算基準書に準拠した内容です。一方で「農地」と「治山」については、県の基準書により作成された内容も少なくありません。
なお新潟県の積算基準改定は、例年10月に行われています。
「土木部」「農地部」「農林水産部」に共通の単価表が毎月公表されています。単価表は、県の調査に基づいた単価、および物価資料単価((「建設物価・土木コスト情報」及び「積算資料・土木施工単価」)で構成されています。
なお、物価資料単価の一般資材については当該月号の「建設物価」「積算資料」が使用され、市場単価市場単価・土木工事標準単価については1号前の「土木コスト情報」「土木施工単価」が使用されます。具体例は次の通りです。
新潟県発注の工事積算で使用される建設機械損料については、県内全域、原則として時期を問わずに豪雪補正10%が発生します(推進工事などの例外あり)。
新潟県が発注する建設工事の設計書は電子データで配布され、「総括情報表」の中に、単価適用日や経費条件などの積算に必要な情報が記載されています。
また、歩掛や単価、損料には細かくコードが付され、土木積算システムの中には、このコードを入力することで積算できるシステムもあります。
なお、歩掛の条件が詳細に記載されている部分も多いことから、比較的積算しやすいことも特徴です。
代表的なコードのパターンを見てみましょう。
設計書の施工内訳表の中に、諸雑費や全体割増が記載されていることがあるので確認が必要です。諸雑費や全体割増の計上に関しては、次のコードで判断が可能です。
設計書の中には、全ての経費対象になる項目と、特定の経費が対象外になる項目が混在しています。これらの情報については設計書の備考欄などに「管理費区分」として記載されていることが多く、積算に際してはこの記載を見逃なないように注意しなければなりません。経費除外項目を見逃した場合には違算につながる可能性が高いでしょう。
新潟県の経費管理費区分
※出典:新潟県土木部積算基準
管理費区分記載例
各地域の特徴を日々収集し研鑽しつづける土木積算システム「アトラス」
上記の他にもまだまだたくさんの各地域独自の土木積算の特徴やルール、クセ(習慣)などが存在しています。これらを土木会社の一人の担当者が常にキャッチアップしていくことはほぼ不可能です。
土木積算システム「アトラス」は全国21拠点のサポート体制を持ち、各地域の発注者の特徴や情報を日々収集し、検証作業を行い、システムのアップデートやユーザーのサポートをおこなっています。アトラスのサポートやシステムを使うことで効率的に地域特徴にあった土木積算を精度高く行うことが可能になります。
30年の実績と土木積算のノウハウが蓄積された土木積算システムATLUS REAL Evo(アトラス レアル エボ)。
その大きな特徴は全国に配置した拠点による地域に密着したサポート体制とシステムのローカライズ(地域化)。
昨今、地域や担当者ごとの土木積算の特徴や習慣をおさえることが土木積算精度を上げるうえで大切になってきています。
アトラスでは各地の拠点にて地域の情報収集、検証作業を行い、知見を蓄積し、導入ユーザーに土木積算ノウハウを共有しています。
昨今の公共⼟⽊⼯事⼊札は、建設⼯事の中でも特に精度が求められています。
土木積算システム「アトラス(ATLUS REAL Evo)」を展開するコンピュータシステム研究所の協力のもと、公共工事、土木工事の落札のコツ・ポイントについて解説!