公共土木工事の入札で勝ち、案件を落札するためには、より精度の高い土木積算が欠かせません。ここでは、土木積算システム「アトラス」を展開するコンピュータシステム研究所の協力を得て、千葉市の土木積算や入札制度における地域的な傾向と特徴についてまとめました。
土木積算システム「アトラス」を展開するコンピュータシステム研究所では、全国23拠点に調査スタッフ&サポートスタッフを配置し、発注者ごとの積算傾向やルール、運用上の癖などの情報を日々収集しています。千葉市もその主要エリアの一つであり、設計書の検証や単価改定の動向など、ローカル情報を蓄積し続けています。ここではその一部をご紹介します。
(※以下の情報は株式会社コンピュータシステム研究所の提供資料をもとに編集・作成しています。)
千葉市が発注する工事では、入札および契約手続の透明性・競争性の確保を目的として、一般競争入札制度の導入や指名競争入札制度の見直しが進められています。現在は電子入札を基本とし、公平性の高い契約制度が運用されています。
令和8年現在、千葉市の建設工事では、入札参加資格要件を定めて公告を行い、参加者を広く募ったうえで実施する「制限付き一般競争入札」を原則としています。
一方、業務委託においては、参加を希望する業者の中から資格要件等を確認したうえで指名を行う「希望型指名競争入札」方式が採用されており、一般競争入札と従来の指名競争入札の中間的な制度として運用されています。
千葉市ではすべての入札案件で工事費内訳書の提出が義務付けられており、入札時に提出する必要があります。最低制限価格の算定には、国土交通省と同様に中央公契連モデルに基づく算定方法が採用されています。
予定価格および最低制限価格の公表については、透明性確保の観点から入札執行後の事後公表が基本となっており、入札結果とともに公表されています。
なお、予定価格は万円単位で設定され、入札金額は千円未満切り上げ(千円単位)での入札となるため、結果として同額入札となり抽選となるケースも見られます。
このような制度のもと、積算精度の向上に加え、内訳書作成を含めた積算業務の効率化も重要となっています。
令和7年12月12日に施行された改正建設業法への対応として、千葉市では同日以降に入札公告または指名通知を行う工事から、本改正内容が適用されています。
これに伴い、工事費内訳書の提出においては、法令で定められた5項目の費用を明示することが新たに求められています。具体的には、次の費目を区分して記載する必要があります。
①材料費
②労務費
③法定福利費(事業主負担分)
④安全衛生経費
⑤建設業退職金共済制度掛金(建退共掛金)
これは技能労働者の処遇改善や社会保険加入の徹底を目的とした改正であり、積算段階で費目管理の一層の厳格化が求められています。
また、すべての案件で内訳書の提出が必須であることから、法改正に対応した適正な費目計上とともに、内訳書作成を含む積算業務の効率化も重要となっています。
千葉市発注の土木工事は、原則として国土交通省の積算基準に準じており、例年10月に基準改定が実施されています。
一方、千葉市水道局が発注する水道工事については、独自の積算基準書は公表されておらず、「水道事業実務必携」に基づいた積算が行われているケースがあります。
このように、同じ公共工事であっても工種や発注機関によって採用される積算基準や単価体系が異なるため、積算業務においては各基準の運用や改定動向を継続的に確認していくことが重要となります。
千葉市発注の土木工事単価は、国の基準や市場価格の動向を踏まえ、千葉市独自の単価体系に基づき運用されています。単価改定は例年4月・10月に全体改定が実施され、その後も毎月改定が行われる仕組みとなっています。
政令指定都市である千葉市では、千葉県とは別に独自の土木工事単価が設定されており、この単価体系に基づき積算が行われています。
単価算出の根拠として参照されている主な資料は、いわゆる「物価本」と呼ばれる
・建設物価(WEB版含む)
・積算資料(電子版含む)
・土木コスト情報
・土木施工単価
の前月号が中心となっています。
なお、改定号に掲載されていない単価については、従前の単価を継続して使用する運用となっており、この点が実務上の特徴的なルールとなっています。
経費基準改定については、例年10月に実施されることが基本となっていますが、通常の改定サイクルと異なり、令和4年度には4月に改定が実施されるなど、年度によって運用が異なる事例も見られます。
また、千葉市では、委託業務において独自の諸経費率や経費算定方法を採用している場合があるため、工事案件とは別に基準を確認する必要があります。
千葉市では、公表単価以外の材料費や処分費が採用されている場合があるため、過去事例で参照されている物価資料の把握や、処分場ごとの単価を確認することが重要となります。
千葉県土木事務所の発注案件と比較して、千葉市では「現場環境改善費」が積算当初から計上されている場合があるため、設計書の内容を確認する必要があります。
下水道工事は、参照する基準書や単価表が多岐にわたります。
そのため、入札後に金入り設計書を入手し、実際に採用されている金額を把握することで、より精度の高い積算を行うことが可能となります。
各地域の特徴を日々収集し研鑽しつづける土木積算システム「アトラス」
上記の他にも、各自治体独自の土木積算の特徴やルール、クセ(習慣)などが多数存在します。これらを土木会社の一人の担当者が常にキャッチアップしていくことはほぼ不可能です。
土木積算システム「アトラス」は全国23拠点のサポート体制を持ち、各地域の発注者の特徴や情報を日々収集・検証し、システムのアップデートやユーザーサポートを行っています。アトラスのサポートやシステムを使うことで、地域特徴に合った土木積算を効率的かつ高精度に行うことが可能になります。
千葉市の公共工事入札は、透明性・競争性の確保が進む一方で、内訳書提出や法改正対応、独自単価の把握など、積算実務に求められる水準が高い環境です。地域独自の基準や運用を理解し、常に最新情報を反映させることが落札率向上の鍵となります。
土木積算システム「アトラス」を活用すれば、千葉市仕様の積算条件を効率的に反映し、現場実態に即した見積作成を実現することが可能です。発注者ごとのクセを踏まえながら、積算精度と業務効率を同時に高めるツールとして、ぜひご活用ください。
各地域の積算傾向を徹底分析し、千葉市仕様にも対応。
発注者ごとの積算条件を反映し、最適な見積づくりをサポートします。
30年の実績と土木積算のノウハウが蓄積された土木積算システム「アトラス」。
その大きな特徴は全国に配置した拠点による地域に密着したサポート体制とシステムのローカライズ(地域化)。
昨今、地域や担当者ごとの土木積算の特徴や習慣をおさえることが土木積算精度を上げるうえで大切になってきています。
アトラスでは各地の拠点にて地域の情報収集、検証作業を行い、知見を蓄積し、導入ユーザーに土木積算ノウハウを共有しています。
昨今の公共⼟⽊⼯事⼊札は、建設⼯事の中でも特に精度が求められています。
土木積算システム「アトラス」を展開するコンピュータシステム研究所の協力のもと、公共工事、土木工事の落札のコツ・ポイントについて解説!