公共土木工事の入札で勝ち、案件を落札するためには、より精度の高い土木積算が求められています。ここでは、土木積算システム「アトラス」を展開するコンピュータシステム研究所の協力をえて、仙台市の土木積算の特徴・コツについてまとめました。
土木積算システム「アトラス」を展開するコンピュータシステム研究所では、全国23拠点に調査スタッフ&サポートスタッフを配置し、発注者ごとに異なる土木積算の傾向や癖などの情報を収集しています。大量の設計書の検証作業など、日々土木積算の精度を上げるためのローカルな情報を蓄積し、その知見を活かしシステムの精度アップや地域の土木業者のサポートを行っています。ここではその一部をお見せいたします。(下記情報は株式会社コンピュータシステム研究所の提供資料より引用もしくは参照し作成しております。)
仙台市では、公共工事の発注において公平性・透明性・競争性の確保を目的に、入札・契約制度を運用しています。ここでは、仙台市における入札方式や積算基準、価格制度の特徴、実務上の留意点について解説します。
不特定多数の業者が参加し価格を競います。公平性と競争性が高い方式です。
市が信頼性や技術力を考慮して業者を指名し、その範囲内で競争させます。不誠実な業者の参加を防げる一方で、選定の偏りには注意が必要です。
特定の業者を任意に選んで契約します。少額案件や特殊技術が必要な場合など、限定的に適用されます。
予定価格に応じて入札方式が決まります。
| 工事費の区分 | 採用される入札方式 | 備考 |
|---|---|---|
| 27億2千万円以上 | 特例政令適用一般競争入札 | WTO政府調達協定に基づく国際入札 |
| 1千万円以上〜27.2億円未満 | 制限付き一般競争入札 | 市内本店など地域要件あり |
| 1千万円未満 | 指名競争入札 | 市内本店など地域要件あり |
仙台市では、予定価格および入札価格に応じて、最低制限価格制度、低入札価格調査制度、失格基準価格制度が適用されます。
予定価格5億円以上の工事請負契約については、低入札価格調査制度を適用し、調査基準価格を設定しています。この価格を下回る入札があった場合には、適正な履行が可能かどうか調査を行います。
計算式は、「直接工事費」の97%に「共通仮設費」の90%と「現場管理費」の90%、「一般管理費等」の68%を加算して算出されます。
設定範囲は、算出額が予定価格の75〜92%に収まるよう設定されます。
計算式は、「直接工事費」の90%に「共通仮設費」の90%と「現場管理費」の85%、「一般管理費等」の63%を加算して算出されます。
予定価格1,000万円以上5億円未満の工事請負契約については総額判断基準を設定し、この価格を下回る価格で入札した場合には、工事構成費目ごとに定める失格基準に該当するか否かの判定を行います。当該失格基準価格のいずれかを下回る場合には、失格となります。
計算式は、「直接工事費」の97%に「共通仮設費」の90%と「現場管理費」の90%、「一般管理費等」の68%を加算して算出されます。
設定範囲は、算出額が予定価格の75〜92%に収まるよう設定されます。
「直接工事費」の95%に「共通仮設費」の90%と「現場管理費」の90%、「一般管理費等」の63%を加算して算出されます。
予定価格500万円以上1,000万円未満の工事請負契約については最低制限価格を設定し、この価格を下回る価格で入札した場合には失格となります。
計算式は、「直接工事費」の97%に「共通仮設費」の90%と「現場管理費」の90%、「一般管理費等」の68%を加算して算出されます。
設定範囲は、算出額が予定価格の75〜92%に収まるよう設定されます。
価格だけでなく、技術力・施工体制・安全管理などを総合的に評価して落札者を決定します。
予定価格5千万円以上の工事、区役所・総合支所発注の舗装工事(1千万円以上〜5千万円未満)、その他1千万円以上〜5千万円未満の工事で選定されたものが対象です。
一方で、災害復旧工事、建築物解体(単独)、機器設置、単価契約、不調案件などには適用されません。
工夫の余地が小さい工事に適用され、企業実績・技術者能力・社会性などを評価します。
工夫の余地は小さいものの施工条件に配慮が必要な工事に適用され、簡易施工計画を加えて評価します。
工夫の余地が大きい工事に適用され、技術提案・施工計画を含めて評価します。
上記方式が適切でない工事に適用されます。
仙台市では、「土木工事標準積算基準書(宮城県土木部版)」「設計業務等標準積算基準書(運用版)」などを適用しています。現場説明書に適用基準を明記し、「宮城県」は仙台市に読み替えて運用されます。なお、基準は毎年10月に改訂されています。
仙台市単価・特別調査単価は毎月改定されます。
建設物価(Web建設物価を含む)、積算資料(積算資料電子版を含む)、土木コスト情報(デジタルコスト情報含む)、土木施工単価(電子書籍含む)、建築コスト情報、建築施工単価などを参照し、2誌の平均値を採用します。
地域区分は「仙台 → 東北 → 全国」の順で参照し、市域外(関東・東京等)は除外されます。当月号を使用し、有効上位3桁で処理(4桁目を四捨五入)します。1円未満は小数第2位までとし、小数第3位を四捨五入します。
積算条件書を確認し、単価使用年月・経費条件・週休2日補正などを把握することが重要です。また、入力データリストを確認し、歩掛コード・単価コード・歩掛条件・管理費区分を見落とさないことが求められます。
復興係数は、共通仮設費1.3、現場管理費1.1が採用されます。
処分費は対象額の3%までが経費対象となります。一方で、スクラップはマイナス計上となり、経費の対象外です。
土質試験費は共通仮設費(技術管理費)に積上げる扱いとなり、現場管理費・一般管理費からは除外されます。
労務調整係数は、時間的制約1.06、著しい制約1.14、夜間(20〜5時)1.5、夜間+時間的制約1.59、夜間+著しい制約1.71が設定されています。なお、係数によっては特別な計算式で算出している場合もあります。
このほか、単価表の端数処理設定や、合材の夜間割増にも注意が必要です。
仙台市の入札制度は競争性・透明性を重視しており、積算精度・技術的裏付け・基準書理解が成果に直結します。特に低入札対策や総合評価方式では、正確な積算と技術力が重要です。
各地域の特徴を日々収集し研鑽しつづける土木積算システム「アトラス」
上記の他にもまだまだたくさんの各地域独自の土木積算の特徴やルール、クセ(習慣)などが存在しています。これらを土木会社の一人の担当者が常にキャッチアップしていくことはほぼ不可能です。
土木積算システム「アトラス」は全国23拠点のサポート体制を持ち、各地域の発注者の特徴や情報を日々収集し、検証作業を行い、システムのアップデートやユーザーのサポートをおこなっています。アトラスのサポートやシステムを使うことで効率的に地域特徴にあった土木積算を精度高く行うことが可能になります。
30年の実績と土木積算のノウハウが蓄積された土木積算システム「アトラス」。
その大きな特徴は全国に配置した拠点による地域に密着したサポート体制とシステムのローカライズ(地域化)。
昨今、地域や担当者ごとの土木積算の特徴や習慣をおさえることが土木積算精度を上げるうえで大切になってきています。
アトラスでは各地の拠点にて地域の情報収集、検証作業を行い、知見を蓄積し、導入ユーザーに土木積算ノウハウを共有しています。
昨今の公共⼟⽊⼯事⼊札は、建設⼯事の中でも特に精度が求められています。
土木積算システム「アトラス」を展開するコンピュータシステム研究所の協力のもと、公共工事、土木工事の落札のコツ・ポイントについて解説!