公共土木工事の入札で勝ち、案件を落札するためには、より精度の高い土木積算が求められています。ここでは、土木積算システム「アトラス」を展開するコンピュータシステム研究所の協力を得て、福岡市の土木積算や入札制度における地域的な傾向と特徴についてまとめました。
土木積算システム「アトラス」を展開するコンピュータシステム研究所では、全国21拠点に調査スタッフ&サポートスタッフを配置し、発注者ごとに異なる土木積算の傾向や癖などの情報を収集しています。大量の設計書の検証作業など、日々土木積算の精度を上げるためのローカルな情報を蓄積し、その知見を活かしシステムの精度アップや地域の土木業者のサポートを行っています。ここではその一部をお見せいたします。(※以下の情報は株式会社コンピュータシステム研究所の提供資料および福岡市公表資料をもとに編集・作成しています。)
福岡市の発注工事では、予定価格は事前公表されており、公告・指名通知書に明記されています。そのため、入札参加者は通知書の内容をもとに積算を行います。土木工事、上水道工事などのいずれにおいても事前公表です。
福岡市は最低制限価格の金額も事前公表が主となっています。国交省に準ずる形で最低制限価格の算出式は以下の率が採用されています。福岡市では令和6年11月以降に公告・指名通知を行う入札から適用されています。
「直接工事費」の97%に「共通仮設費」の90%と「現場管理費」の90%、「一般管理費」の68%を加算して算出されます。
予定価格の92%~75%の範囲で設定されます。
総合評価方式の低入札調査基準価格は最低制限価格と同じ設定範囲、計算式とされており、失格基準価格は低入札調査基準価格の99%になるよう改定が実施されています。
福岡市では、電子入札を原則として運用しており、公共工事の大半がこの方式で実施されています。前述の通り最低制限価格制度および低入札価格調査制度を採用しており、総合評価落札方式も一部工事で導入し、価格だけでなく技術力・地域貢献などの要素を評価に反映しています。
歩掛は原則として各省庁に準拠しています。各省庁に合わせた改定につきましては10月に新基準が適用されます。
ただし、国の基準に合わないものや、施工状況によっては福岡市に合わせた独自歩掛が設定されており、そちらは土木工事にかかわらず各工事(下水道工事、上水道工事)内容でも存在しています。福岡市の歩掛には各コードが付与されており、国に準拠の歩掛は「CB」から始まるコードとなっていますが、福岡市独自の歩掛は「P」から始まるものになっています。そちらは工事に合わせてコードが違っており、土木・下水道工事は「PD、PG」コード、上水道工事は「PS」コードとなっています。また特殊な歩掛については各工事ごとに特殊代価表として作成され、こちらは「S●●号」といった表記です。
福岡市の土木単価については、基本的に年2回(4月・10月)の改定となりますが、実質的には毎月改定されています。福岡市単価は「土木、上水道、下水道」といった各資料に分けて公開されています。市場単価については年4回(4月・7月・10月・1月)改定され、物価本の採用号などは改定資料に明記されます。一般資材は毎月改定され、独自調査・物価資料(当月採用)・その他(3社以上の見積り)により決定されます。また、「積算資料」・「積算資料電子版」、「建設物価」・「web建設物価」、「土木施工単価」、「土木コスト情報」を参照している単価は、両誌の平均単価が採用されています。単価についてもコードが存在し、材料単価については「Z」コード、労務単価は「R」コード、見積もりの単価は「T」コードとなっています。
経費基準については国交省の改定内容に準ずる形で、基本的に毎年5月、もしくは6月ごろに改定が実施されます。積算に関わる週休2日制の取組みについては、直近では令和8年4月に福岡市ホームページで最新の補正率が公表されています。
金抜き設計書は入札の工事のランクに応じてPDF形式のデータまたは紙形式で配布されます。基本的に入札する業者様のみがダウンロード可能となっています。単価適用日、単価地区、諸経費条件などの積算に必要な情報は、設計書内に記載されています。
福岡市の積算については設計書や特記仕様書、図面には、積算に必要な条件や材料の規格などが記載されていない内容が多々あるため、配布資料のみで正確に積算を行うことは困難です。解決策としては過去の工事の金入り設計書を入手し、精度を高めることが重要となります。
福岡市の積算については予定価格・最低制限価格ともに事前公表のため比較的簡単に思われるかと思います。しかし、土木積算システム「アトラス」を活用すれば、さらに効率的な積算、内訳書の作成が実現できます。発注者ごとのルール差異にも対応している業務効率化ツールとして、ぜひご活用ください。
各地域の特徴を日々収集し研鑽しつづける土木積算システム「アトラス」
上記の他にも、各自治体独自の土木積算の特徴やルール、クセ、運用上の習慣などが多数存在します。これらを土木会社の一人の担当者が常にキャッチアップしていくことは容易ではありません。
土木積算システム「アトラス」は全国21拠点のサポート体制を持ち、各地域の発注者の特徴や最新情報を日々収集・検証し、システムのアップデートやユーザーサポートを行っています。アトラスを活用することで、福岡市仕様の積算条件を効率的に反映し、現場実態に即した見積作成を精度高く行うことが可能になります。
30年の実績と土木積算のノウハウが蓄積された土木積算システム「アトラス」。
その大きな特徴は全国に配置した拠点による地域に密着したサポート体制とシステムのローカライズ(地域化)。
昨今、地域や担当者ごとの土木積算の特徴や習慣をおさえることが土木積算精度を上げるうえで大切になってきています。
アトラスでは各地の拠点にて地域の情報収集、検証作業を行い、知見を蓄積し、導入ユーザーに土木積算ノウハウを共有しています。
昨今の公共⼟⽊⼯事⼊札は、建設⼯事の中でも特に精度が求められています。
土木積算システム「アトラス」を展開するコンピュータシステム研究所の協力のもと、公共工事、土木工事の落札のコツ・ポイントについて解説!